神奈川県公立高校 共通選抜 入試問題 数学
2023(令和5)年度 の解説
合格者平均点53.0点
2013年以降、しばらく迷走が続いていた神奈川県の公立高校入試問題ですが、ここ数年は出題形式が安定してきました。
今回の数学も、教科書内容と過去問の反復練習さえきちんとやっていれば、かなり得点できる内容だと思います。
共通問題は、こういう、こつこつ努力を積み上げた子が報われる形式でお願いします。
■問1
正解率(ア)94.7% (イ)95.2% (ウ)85.8% (エ)91.4% (オ)91.5%ここは落ち着いてやれば、だいじょうぶでしょう。
■問2
正解率(ア)92.1% (イ)83.5% (ウ)81.9% (エ)63.8% (オ)78.0%(エ)を見て一次方程式の問題だと分かるかどうかですね。分かったとしても、396を足すのか引くのかで間違える可能性がある。何となくでやってはいけない。
(オ)で自然数の平方になると言うことは、素因数分解したときの指数がすべて偶数になっていればいい(素数の2乗、4乗、6乗……)。
■問3
正解率(ア)(i)(a)(b)67.7% (c)89.0% (A)21.5% (イ)(i)71.6% (A)44.2% (ウ)27.8% (エ)8.0%(ア)
(@)(a)「平行線の同位角は等しいから」をちゃんと読んでいないと、はいはい、錯角でしょ、とやりかねない。
(A)図中の同じ角度に印をつけていくと分かりやすいですね。
(イ)統計の問題は、昨年のようにやたらメンドクサイこともありますが、今年は素直。こういうのでいいんだって。
(ウ)グラフの目盛りとBさんの動きがピッタリ合わないように小細工されている。こういう嫌がらせはよくないぞ。
(エ)ほぼ毎年出題されて、だいたい正解率が激低なパターンの問題。上位狙いの受験生以外は、パッと見で捨ててもいいと思います。
■問4
正解率(ア)86.9% (イ)55.1% (ウ)5.9%(ア)は毎年お決まりのやつ。ここはさすがに落とせない。
(イ)もお約束のやつ……なのですが、分数とマイナスで計算をミスる可能性が結構あります。慎重に行きましょう。
(ウ)これは、過去問をしっかりやっていれば「あのパターンね」と気づくやつ。気づかなかったら、あきらめよう。
■問5
正解率(ア)39.4% (イ)34.5%どうして確率の問題って、こんなに意味不明な作業ばかり強いられるんでしょうね。
もうちょっと現実味のある設定ではダメなのか?
とはいえ今年の問題は、ルールさえ理解できれば簡単です。
状況さえ整理できれば、36パターン総当たりの表も必要ありません。
■問6
正解率(ア)62.5% (イ)19.3% (ウ)4.0%2021(令和3)年の問6の類題。初見ではきついなぁ。
(ア)こいつぁ落とせませんな。
(イ)空間図形を平面図形に落としこみ、三平方の定理を利用する、よくあるパターンの問題。だが、手順が多くて簡単ではない。作図と計算の力が試される。これはできなくてもしょうがないな。
(ウ)2021年の問6(ウ)をやっていれば、方針はすぐに見えるはず。で、あれと一緒じゃん、と思いきや、さらにひとひねりしてあるのね。 ちゃんと準備をしてきた受験生が有利になるようにしつつも、パターンを暗記しただけじゃダメなんだぜ、というメッセージ性も感じる、正統進化のいい問題だと思います。